遺産分割協議書とは?
はじめに
遺言書がなかった場合、亡くなった人の遺産をどうやって分ければいいのでしょうか。
口約束で「長男は家」「次男は株」「長女は貯金」と分けても、後々トラブルになる可能性があります。
実際上記のような場合、登記手続きの際には、遺産分割協議書が必ず必要となります。
今回は、そんな遺産分割協議書について解説したいと思います。
こんな人におすすめです
- 亡くなった人の遺言書がなかった
- 登記手続きをしたい
- 相続の話し合いを終わらせたい
遺産分割協議書とは?
遺産分割協議書とは、亡くなった人の遺産を相続人が分ける際の合意書のことです。
遺言書がない場合は、基本的に法定相続分通りに分割するか、遺産分割協議となりますが、法定相続通りに分割すると、住んでいもいない土地の権利の1/3だけもらったり、何かと不便です。
これを話し合いで解決し、正式な協議書としてまとめたものが遺産分割協議書です。
相続人の話し合いの合意書です
遺産分割協議書には何が必要?
必要なものリスト
- 遺産分割協議書(相続人の人数分)
- 実印と印鑑証明
- その他(相続放棄をした場合は追加書類あり)
遺産分割協議書には、合意した内容を記した文書と、共同相続人全員の署名・押印が必要です。
話し合いは全員が集まってする必要はなく、内容に合意しさえすれば、署名と押印のみで成立します。
ただし、印鑑には実印を用い、印鑑証明書を添付します。偽造を防ぐためです。
実印と印鑑証明書が必須です!
住所は住民票に記載されている通りに書きます。
例外的に、相続放棄をしている相続人がいる場合は、家庭裁判所から「相続放棄申述受理証明書」を発行してもらい、添付する必要があります。相続放棄の方法については、下記の記事をご覧ください。
遺産分割協議の流れ
- 遺言書がないことを確認
- 相続人を調査・確定させる
- 相続財産の調査(マイナスの遺産も含めて)
- 話し合い
- 話し合いで合意した事項を遺産分割協議書としてまとめる
遺言書があった場合、基本的には遺言書の通りに遺産分割を行う必要があります。
遺産分割協議後に遺言書が見つかると、それまでの労力が水の泡になるだけでなく、話し合いが余計にこじれるので、まずは遺言書がないことを確認しましょう。
次に、相続人を調査します。「そんなのわかりきったことじゃないか」と思うかもしれませんが、前妻の子がいる場合は、その子どもも相続人となります。
「伝えなければ亡くなったことに気づかないだろう」と思われがちですが、遺産分割協議書は絶対に相続人全員の同意が必要です。同意がない場合の協議書は無効となります。
相続人の確定は意外と見逃しがちです!
これらが終わった後で、遺産の内容を調査します。貯金などはわかりやすいですが、不動産で共有持分を持っていたり、山林を持っている場合など、想定外の財産となることもあります。証券口座の株なども、内訳が分からないと話し合いのしようがありません。
そして大事なのが借金の調査です。住宅ローンの借り入れなど、普段あまり意識していない借り入れがあるかもしれません。
ここまで終えてようやく遺産分割の話し合いです。
一人でも反対する人がいれば、遺産分割協議書は作成できません。遺産分割協議書は、全員の合意が必要だからです。
全員が合意すれば、晴れて遺産分割協議書としてまとめで終了となります。
まとめ
遺産分割協議書の作成は、想像以上にたいへんです。
加えて、相続が開始してから10ヶ月以内に相続税を納付するために、急いで行わなければなりません。
平日が仕事などで書類を集められないと、財産調査をしているうちにあっという間に相続税の期限になってしまいます。
平田淳行政書士事務所では、そうした遺産分割協議のお手伝いも承っております。
他にも、遺産分割協議についてお尋ねしたいことがありましたら、下記のお問い合わせフォームよりどうぞ。
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